リハビリテーション

リハビリテーションとは

リハビリテーション

リハビリテーションは、神経や筋、骨格系の異常に基づく運動機能障害者を対象とし、日常生活に復帰するために必要となる訓練を複合的に行う治療法です。
ケガや病気、手術などの治療によって生じた移動・身の回り動作・コミュニケーションなどの障害に対し、失われた機能を回復させるとともに、残存能力を最大限に引き出す治療を行います。これにより、運動機能に障害のある方が家庭復帰、社会復帰できるよう援助していきます。

このような症状の方はご相談を

  • 腰痛や肩こりがなかなか良くならない
  • 歩くのが辛い、上手く歩けない
  • 関節が痛い、変形している
  • 筋力が低下し、疲れやすくなった
  • 五十肩、四十肩など
  • スポーツ外傷(靭帯断裂、半月板損傷など)を経験した
  • 靭帯再建術を受けた
  • 人工関節置換術を受けた
  • 食事や着替え、トイレなどの日常動作が上手くできない

リハビリテーション室スタッフ紹介

スタッフ

リハビリテーション室長:理学療法士(PT)吉田有輝

患者さんへのメッセージ

整形外科疾患全般を担当しています。
これまで整形外科疾患に限らず、脳神経外科・神経内科・循環器内科などの全ての領域に対してリハビリテーションを提供して参りました。
また、入院や外来はもちろんのこと、訪問リハビリテーションによる地域医療も豊富に経験しております。
これらの経験を活かし、地域の皆様の健康増進をお手伝いさせていただければと思います。

所属学会
  • 日本理学療法士協会
  • 東京都理学療法士協会
資格・研修歴等
  • 第40回理学療法士作業療法士言語聴覚士養成施設教員等講習会修了
  • 訪問リハビリテーション専門人材育成研修基礎研修・現任研修修了
  • Train theTrainer TeamSTEPPS Trainer Workshop修了
  • 第29回関東甲信越ブロック理学療法士学会にて学術発表
  • 第48・49・50回日本理学療法学術大会にて学術発表

ハンドセラピスト:理学療法士(PT)前澤早紀

患者さんへのメッセージ

整形外科疾患の中でも上肢(腕)・手の領域を中心に担当しています。
手は日常生活ではもちろん繊細な作業でも使用する部位です。
患者さんお一人お一人の生活スタイルに合わせたリハビリを提供し機能回復のお手伝いができれば幸いです。

所属学会
  • 日本理学療法士協会
  • 東京都理学療法士協会
  • 日本ハンドセラピィ学会
資格・研修歴等
  • Semmes Weinstein monofilament test (SW-test)講習会修了
  • 新リンパ浮腫研修修了
  • リンパ浮腫複合的治療料実技研修会修了
  • 臨床実習指導者講習会修了

訪問リハ事業所 管理者:理学療法士(PT)吉良和真

患者さんへのメッセージ

整形外科領域だけでなく、脳血管性疾患なども含め幅広い疾患や、訪問リハビリテーション担当しています。
これまで、急性期~慢性期疾患の治療では、機能訓練および在宅復帰へのお手伝いをさせていただき、訪問リハビリテーションでは、実際の在宅で必要な生活動作練習、転倒予防指導など、患者様の生活の質の向上を目指した治療を豊富に経験して参りました。
これらの経験を活かし、クリニックに来られた患者様のあらゆる症状に寄り添い、よりよい生活を送れるように手助けさせていただきたいと思います。

所属学会
  • 日本理学療法士協会
  • 東京都理学療法士協会
資格・研修歴等
  • 臨床実習指導者講習会修了

作業療法士(OT)多田誠

患者さんへのメッセージ

2023年4月より入職しました。それまでは介護老人保健施設や病院にて整形疾患や脳血管疾患の患者様を担当し、在宅生活に向けた作業療法を行なってまいりました。日常生活を送る上で支障となる痛みや動かしにくさの改善にお手伝いできればと思います。

所属学会
  • 日本作業療法士協会
  • 東京都作業療法士協会
資格・研修歴等
  • 臨床実習指導者講習会修了

非常勤:理学療法士(PT)原謙司

患者さんへのメッセージ

普段は関節コーディネーターとして活動し、週2回きむら整形外科・手のクリニックに非常勤理学療法士として出勤しています。整形外科領域(特にスポーツ)に特化した自立型の治療を行なっています。患者様の未来の生活を豊かにする治療を心がけ対応させていただきます。
宜しくお願い致します。

主なリハビリの種類

運動療法

運動療法は身体の様々な部位に生じた障害の回復を目指し、医学的・科学的根拠に基づいて身体的運動を行っていく治療法です。主な手法としては、関節の可動域を改善するための訓練、筋力増強訓練(寝返り、起き上がり、立ち上がり、移動、歩行の機能回復)、持久力増強訓練(歩行訓練、エルゴメーターを用いた心肺機能改善)、協調性改善訓練、坐位訓練や起立訓練などによって循環器系や筋力の回復を目指す全身調整運動などがあります。

トレーニングマシン

ニューステップ(ミナト医科学):
フットステップとハンドルを連動させた、全身の協調性運動、上肢・下肢の単独の運動を行うことができます。また、低床型で回転式バケットシートを採用しハンドル調節も出来るので、高齢者や車椅子を利用されている方も簡単に乗降できます。

エルゴメーター(OG技研:EM-350):
坐位(リカンベント)姿勢で、腹筋、背筋の緊張を減らしながら、自立度の低いご高齢の方にも効果的に有酸素運動を行うことができるリハビリ機器です。

作業療法

作業療法は身体や精神に障害のある患者さんに対し、日常生活を営んでいくうえで必要とされる動作や社会に適応するための能力を回復させる治療法です。主な方法としては、日常生活活動訓練(移動や食事などの訓練)、作業手順の習得、福祉用具を使用するための訓練などがあります。

物理療法

物理療法は怪我などで運動機能が低下した方を対象とし、専用機器を利用して物理的な刺激を加えることによって炎症・血流の改善を進めていきます。障害や後遺症のある部位に着目し、その基本的な運動機能を維持・改善するため、低周波、超音波、レーザー、牽引療法、温熱などの治療を選択します。これにより、炎症の回復や痛みの軽減が期待できます。

超音波療法

超音波治療は、超音波の機械的振動を生体に与え、その温熱作用とマイクロマッサージ作用による疼痛緩和や血量促進作用を目的としています。超音波療法には、温熱効果と非温熱効果があります。

  • 温熱効果には、軟部組織の伸長性の改善効果、および疼痛緩和効果があり、慢性疾患に対して適応があります。
  • 非温熱効果には、損傷した組織の治癒を促進する効果があり、急性期疾患に対して適応があります。

当院では、OG技研の最新機器:フィジソニックES-7を導入しています。1MHzと3MHzの2種類の超音波を使用し、治療対象部位の深さに合わせて周波数を変更できます。

適応疾患例)

上腕骨外上顆炎、三角筋下滑液包炎、手根管症候群、坐骨神経痛、腰痛、変形性膝関節症、下腿三頭筋挫傷、踵部痛など

半導体レーザー治療

レーザー治療は、生体に熱作用を与えず、光作用を利用するもので、レーザー光が血管・神経などに作用し、神経伝導の抑制、血流の改善、筋肉や関節の炎症による疼痛を緩和します。低侵襲で、照射時に不快な痛みや熱を感じることはありません。
当院では、OG技研の最新機器:ファインレーザーEL-1000を導入しています。ピーク出力10Wのパルス照射により、冷却時間を作り熱の発生を抑えて、十分な強度のレーザー光を生体深部まで導きます。また、体内の水分やヘモグロビンに吸収されにくい830nmの生体親和性の高いレーザー光により、より深部への作用が期待できます。

適応疾患例)

手指などの関節炎、腱付着部炎、腱炎、腱鞘炎、スポーツによる筋筋膜炎、腰痛、肩こりなど

電気刺激療法

我々のからだの一つ一つ細胞は電気を帯びていて、外部からの電気的な刺激に対して敏感に反応する性質があり、これを利用して外部から電気を流して痛みの感覚を和らげようとするのが電気刺激療法です。
その中で、痛みのある部位やそこから痛みの信号を中枢に伝える知覚神経に電極を貼り、痛みを感じない程度の電気を流すのが経皮的電気治療法(TENS)です。1965年に心理学者のメルザックと生理学者ウォールが「痛みのゲートコントロール理論」を提唱し、電気刺激が痛みを抑える仕組みを示しました。痛むところや、知覚神経に電気刺激を加えることにより、わずかな時間で鎮痛効果が現れ、終了後もしばらく効果が続くとされています。筋肉が緊張して血流が低下すると、発痛物質が放出されて痛みが起こります。低周波電流は痛みのある部分の血行を促進し、筋肉の緊張の緩和をもたらします。また、伝導速度の速い触覚神経を刺激することで伝導速度の遅い痛覚神経の伝達を防ぎ、痛みの伝達を抑制する効果も期待できます。さらに低周波治療の周波数に依存して、脳脊髄内へのさまざまな鎮痛物質が誘発されることも報告されています。

当院では、OG技研の最新機器:フィジアスFS-350、ミナト医科学のカイネタイザーKT-108を導入しています。

経皮的電気治療法(TENS):低周波、中周波の各モードがあります。
  • 低周波モード:
    低周波のパルス刺激によって、持続性のある疼痛緩和効果が期待できます。治療範囲の狭い部位、患部をピンポイントで刺激する場合の治療モードです。
  • 中周波モード:
    中周による断続的な刺激によって筋収縮が得られ、シーケンス設定を組み合わせることで、効率よく筋刺激を行うことが出来ます。
干渉電流刺激療法:

周波数が違う2種類の電流を交差させると干渉が起こることを治療に応用したのが、干渉電流刺激療法です。皮膚抵抗の低い中周波電流を利用するので、低周波に比べてピリピリ感が少なく、深部まで作用刺さることが出来ます。

  • 干渉波モード:
    周波数の異なる複数の電流を体内で交差させ、体内に生じる「うなり電流」によって治療を行うモードです。治療パターンにより、リズミカルに「たたく」「揉みほぐす」ような刺激がえられます。
  • スーパータイダルモード(KT-108):
    中周波領域を利用し、皮膚バリアを突破する際の痛みと不快感を抑えて、エネルギーを効率よく体内に送り届けます。幅広い周波数を組み合わせて刺激することによって、多様な筋に強い収縮を引き起こします。
マイクロカレント療法(微弱電流療法)(KT-108)

人間のからだにもともと流れている電気を生体電流といい、この生体電流に似た微弱な電流を使った治療法です。ケガや痛みの治療に効果が高く、スポーツ領域でも積極的に使用されています。

温熱療法

身体を温め、血行をよくすることにより治療効果を得る物理療法です。主な生理作用は、疼痛緩和、組織代謝の亢進、治癒の促進、血管拡張や血流増大などの循環反応、神経の痛覚閾値の上昇、軟部組織の伸長性増大などがあります。
当院では、OG技研の乾式ホットパック装置(ホットリズミー)を導入しています。
温熱効果に加え、心地良いリズム(振動)で治療感を向上させています。

適応疾患例)

打撲、捻挫、脱臼、骨折、変形性関節症、関節拘縮、関節周囲炎、腰痛症、神経痛、神経炎、筋スパズムなど

頚椎・腰椎牽引

当院では、ミナト医科学の最新の牽引機器:スーパートラック(ST-3CL)を導入しています。
この機器は、坐位から仰臥姿勢にポジション移動する際に、頭部を中心に回転する機構を採用(ラウンドチルト方式)しています。それにより、高齢の方などのめまい感の出現を予防します。また、仰臥位で牽引することにより頚部・腰背部の筋緊張を低減し、より少ない牽引力で治療効果が発揮できるように設計されています。